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2020年3月14日土曜日

ロード時にボイドで切り取り

ホスト以外を切り取る

ホストではない要素を切り取るには?
ドアや窓は壁にとりつくので、原則としてとりつく壁に開口を開けるようになっています。しかしとりつく壁以外にも開口を開けたい場合があります。たとえば
  • 床にヌスミをいれたい
  • 防火扉
  • コーナーサッシ
などなど。ボイドの働きを見てみましょう。

防火戸のファミリをつくる

防火戸はホストとなる壁以外の壁にも戸袋を作成する必要があります。こんなときこの「ロード時にボイドで切り取り」機能が役に立ちます。今回はこまかな納まりはさておき、ボイドの働きに着目してください。
まず、建築テンプレートで新規プロジェクトを作成し、下の図のように床と壁とドアを作成してください。ドアは規定値の片開き:w900h2000です。
では、これを防火戸に改造してみましょう。

  1. 配置したドアを選択し、モードパネル>ファミリを編集
  2. ビュー>平面図>基準レベルを開きます。
  3. 扉パネルとハンドルを削除します。簡略表示用、標準表示用にフォームや塗りつぶし領域など複数の要素があるので慎重にすべて削除してください。
    パネル関連の要素をすべて削除
  4. 下の図のように参照面と寸法を作成して、寸法に既存のパラメータをつける。
    参照面とパラメータを作成
  5. 立面図(立面図1)>右を開く
  6. 作成>フォームパネル>押し出し
  7. 作業面に「右」を指定してOK。
  8. 壁に埋め込むパネルの外形線をスケッチして、モードパネル>✔
  9. 平面図>基準レベルで厚さを調整し参照面にロック。サブカテゴリをパネルに指定
  10. 同様に枠を作成し、サブカテゴリをフレーム/マリオンに
  11. 立面図(立面図1)>右を開く
  12. 作成>フォームパネル>押し出し
  13. 作業面に「右」を指定してOK。
  14. 作成した枠の外側、上側、壁の外側(参照面名:外部)、レベルで矩形を作成してモードパネル>✔
  15. 形状ハンドルで厚さを調整して参照面にロック。
  16. ソリッド/ボイドプロパティでボイドを選択。
    ボイドに指定
  17. 内側の壁面にある、「開口断面」を選択して削除。
    1. 開口部断面とボイドは共存できません。
    2. ボイドを使用する場合は開口部断面を削除して、代わりに同等のボイドを作成します。
      開口部断面を削除
  18. 立面図(立面図1)>内部を開く
  19. 作成タブ>フォームパネル>押し出し
  20. 作業面に参照面外部を指定
  21. ドア枠の外側の参照面にロックしながら矩形をスケッチ。
    枠の外側にロック
  22. モードパネル>✔
  23. 平面図>基準レベルで厚さを調整する
    1. 位置合わせまたは形状ハンドルをドラッグして、参照面外部内部にロック
  24. 16と同様の手段でボイドに変更
  25. 修正タブ>ジオメトリパネル>切り取り
  26. 壁→ボイドの順番にクリックして壁をくりぬく。
  27. ファミリのプロパティ「ロード時にボイドで切り取り」に✔
  28. プロジェクトにロードし「現在のバージョンを上書き」を選択

ホストではない壁を切り取る



  1. 下の図のように壁をもう一つ作成
  2. 位置合わせで埋め込み側のパネル面を壁面に合わせる。
    1. エラーが出ますが無視してください。
    2. この時点ではたての壁は切りかかれていません。
      まだ戸袋はできていない
  3. 修正タブ>ジオメトリパネル>切り取りで壁→ドアの順でクリック。
ロード時にボイドで切り取りをチェックしても、明確に何をどれで切り取るかを指定する必要があります。
この方法を使うとホストの壁以外でも切り取ることができます。また、壁に限らず、床にヌスミを入れることももちろん可能です。たとえば掃き出し窓も、一般には床を切り欠くことはできませんが・・・
床に水切が食い込んでいる
同様の手法でボイドを仕込んで、切り取りを行うと
床を切り取る
のようになります。





2018年4月22日日曜日

隠線

人通口

人通口は「梁の穴」ですから、[構造]タブ>[開口部]パネル>[面]を使うことで簡単に作成できます。
穴自体は簡単に作成できます
しかし、いくつかの欠点があります。

  • たくさんの人通口をひとつづつスケッチしながら作成するは面倒
  • ×印を表示するにはいちいち線分を作成しなければならない
  • 個数をカウントできない
  • タグを付けられない。
  • 中心線に寸法が作成できない
などなど。
どうやら、やはり人通口のファミリを作成したほうがよさそうです。

人通口のファミリ

では人通口のファミリを作成してみましょう。穴と記号だけですので簡単ですが、ちょっとだけコツがあります。

  1. [ファイル]タブ>[新規作成]>[ファミリ]
  2. 「一般モデル(メートル単位).rft」を選択し開く。
  3. [管理]タブ>[設定]パネル>[オブジェクトスタイル]
  4. 一般モデルの下に「人通口」というサブカテゴリを作成する。
  5. 平面図に参照面と寸法を下の図のように作成します。梁幅はインスタンスパラメータ、人通口の直径はタイプパラメータとします。
    参照面を寸法で拘束し、パラメータを作成する
  6. 立面図-正面で下の図のように参照面と寸法、パラメータを作成する。人通口なので、円の下端でレベルを決めることができるようにします。
    立面図
  7. [作成]タブ>[ボイドフォーム]>[押し出し]で、円をスケッチします。作成した円を選択し、プロパティウィンドウの[中心マークを表示]を☑します。
    円の中心マークを表示する
  8. [修正]パネル>[位置合わせ]コマンドで円の中心を参照面の交点にロックします。
  9. 半径寸法を作成し、寸法のラベルを「半径」とします。
    円の中心を参照面にロックし、半径寸法を作成、ラベルを「半径」にする
  10. [モード]パネル>[編集を終了✔]
  11. [プロパティ]パネル>[ファミリタイプ]
  12. [半径]の式を「直径/2」とし[OK]
    半径の式は「直径/2」
  13. 平面図の参照レベルを開き、ボイドフォームの上と下を参照面にロックする。
    ボイドを上下の参照面にロック
  14. [注釈]タブ>[詳細]パネル>[シンボル線分]
  15. [サブカテゴリ]パネル>[サブカテゴリ]を「人通口[投影方法]」
  16. [描画]パネルで[選択()]を選択、オプションバーのロックをチェックし周囲の4本の参照面を選択
  17. [修正]パネル>[コーナーへトリム]を使って以下のように矩形を作成。
    外周の矩形を作成
  18. さらに線分を使って×を作成する
    ×を追加
  19. [プロパティ]パネル>[ファミリカテゴリとパラメータ]
  20. [ロード時にボイドで切り取り]を☑し[OK]
    ロード時にボイドで切り取り
  21. [プロパティ]パネル>[ファミリタイプ]で「⌀600」と「⌀550」のタイプを作成。
  22. 「人通口」という名前で保存する。
同様の方法で通水管も作成できます。こちらからダウンロードできますので、試しに使ってみてください。
人通口(2017)
通水管(2017)

隠線って?

ロードして使ってみる

それではプロジェクトにロードして使ってみましょう。
  1. ファミリをロードして、[構築]パネル>[コンポーネント]
  2. タイプセレクタで「人通口:⌀600」を選択
  3. オフセットに「400」
  4. まずはわざと梁から少し外して配置してみます。
図のように、梁で人通口が隠れてしまった場合は、隠線を使って「梁に隠されている人通口」を表示します。
人通口が隠れている
ビューのインスタンスパラメータ[隠線処理]が「すべて」の場合は、すべての隠されている要素が「隠線」で表示されます。
隠線がすべて表示される
この「隠線」は人通口のカテゴリの隠線なので、オブジェクトスタイルやビュー/グラフィックスの上書きでコントロールすることができます。
人通口が所属するカテゴリのサブカテゴリ「隠線」
ビューのインスタンスパラメータ[隠線処理]が「専門分野別」の場合は、ビューのインスタンスパラメータ[専門分野]によって、自動的に隠線の表示非表示が決定されます。
詳細はこちらに記載されています。もちろん、個別に隠線を表示させることができます。
  1. [表示]タブ>[グラフィックス]パネル>[隠線を表示]
  2. 梁→人通口の順番でクリック
  3. 人通口の幅を梁に合わせます。
    人通口の隠線を表示

穴をあける

ではこの状態で3Dを確認してみると・・・
ボイドにお相手を教えてあげよう!
穴があいていませんね。人通口のファミリにはボイドがありますので、このボイドに穴をあける相手を教えてあげる必要があります。
  1. [修正]タブ>[ジオメトリ]パネル>[切り取り]
  2. 梁→人通口の順にクリック
    穴が開いた!
このやり方であれば、最初に掲げた問題点をおおむねクリアできます。
人通口

2017年6月11日日曜日

常に垂直・作業面に基づく・ロード時にボイドで切り取り

ファミリの基本のプロパティ

ファミリを新規作成し、テンプレートに「一般モデル(メートル単位).rft」を選択したときに、ファミリの基本的なパラメータとして

  • 作業面に基づく
  • 常に垂直
  • ロード時にボイドで切り取り

というのがあります。プロパティウィンドゥに次のように表示されています。
ファミリのパラメータ
すべてYES/NO型のパラメータですが、これらはどのような意味があるのでしょうか?

常に垂直

ファミリのインスタンスには「ホスト」または「作業面」というパラメータがあります。ホストはレベルであったり、何らかの要素の面であったりします。このパラメータはそのホストまたは作業面に対して垂直なのか(OFF)、あるいはホスト面が傾いていても常に垂直を保つのか、というインスタンスの配置を決定します。
常に垂直:□(左)と☑(右)
上の図で斜めの板は床です。配置された円筒状のファミリは左が常に垂直がOFF、右が常に垂直がONです。ホストはどちらも床面です。常に垂直がオフの場合は、配置されたホストに従って向きが変わります。ただし、壁など垂直な面にはホストすることはできません。基本はレベルに基づいています。

作業面に基づく

壁面など任意の面に配置したい場合は、作業面に基づくにチェックを入れます。このパラメータがONの場合、挿入時リボンに下の図のようなオプションが表示されます。
作業面を指定するオプションが表示される
面に配置とは「何らかの要素の面」を指定する、という意味で、作業面に配置とは「通芯」「レベル」「名前の付いた作業面」に対して配置する、という意味です。
面に配置した例
常に垂直をOFFにしておけば、いろいろな面をXY平面としてファミリを配置することができます。
このファミリインスタンスパラメータには「レベル」のパラメータはなくなり、「作業面」と作業面からの「オフセット」のパラメータが表示されます。
インスタンスパラメータに注意
さらに常に垂直をONにすれば、ホストとなる作業面に関係なく常に垂直を保って配置されます。
面に配置されるが垂直を保つ

ロード時にボイドで切り取る

たとえば床に排水側溝を作りたい場合などに、ホストとなる要素を「削る」必要があった場合には、このパラメータをチェックします。下の図は「作業面に基づく」がONで、「ロード時にボイドで切り取り」をON・OFFにしたファミリを床と壁に配置した直後の状態です。このファミリにはボイドだけが含まれています。
同じようなファミリに見えるが・・・・
これらを 修正タブ>ジオメトリパネル>切り取り を使って関係づけると
□だと切り取りで関係づけることができない
「ロード時にボイドで切り取り」がOFFの場合は、ホストとなる要素(この場合は壁と床)を切り取ることができません(というか、切り取りコマンドで指定することすらできません)。

作成したいファミリの特性に従って設定してみてください。