2018年12月8日土曜日

ガラスパネルの階段手摺

手摺のパネルは伸縮しない

手摺は縦桟と横桟の組み合わせで構成されます。その詳細はこちらで記述しているので参考にしてください。
しかしながらパネル型の手すりはどうでしょうか?ファミリには「手すり子 - パネル.rft」というテンプレートがありますが、このパネルはカーテンウォールのパネルのようには伸縮しません。ですから下の図のような階段手摺を作成するのには一工夫必要です。
パネル型の手すりを作成する
この手摺の作り方について解説します。やや「手作り」っぽい手順ですからちょっとがっかりするかもしれませんが、手摺の考え方を学習するには最適です。

STEP1:支柱の位置を確定する

まず階段手摺を作成するためにその「支柱の位置(=ガラスパネルの幅)」を確定します。階段を作成して、必要な範囲に

  1. 「建築テンプレート」で新規プロジェクトを開始。
  2. [建築]タブ>[階段]パネル>[階段]で「現場打ち階段:コンクリート」を選択し、蹴上を20に設定。
  3. [ツール]パネル>[手摺]で1100mmを選択。
  4. 階段・踊り場を作成し[✔]。
  5. 手摺を選択して編集し、内側のスケッチラインを削除する。
手摺を選択して、パネルのない、支柱だけの手すりを作成します。
  1. 手摺を選択し[タイプを編集]
  2. [名前変更]を設定し、「ガラス手摺-支柱設定」としてOK。
  3. [手摺子構成]の[編集]をクリックし以下の設定をする。
    • 主パターンの2の行で[直前部材からの距離]に1100
      • これは階段経路の長さが、二つとも2160なので、踊り場も含めてその半分の1100mm程度で分割するためです。
    • [パターンを中断]を各セグメントの端
      • 主パターンをどの範囲で繰り返すかを設定しています。
      • 各セグメントとはスケッチラインの線のことです。
    • [位置合わせ]をフィットするように広げる
      • 1100近辺で等分してください、という意味です。
    • [踏み面ごとに手すり子を配置]のチェックを外す
      • ここにチェックが入っていると階段の踏み板すべてに手すり子が立ちます。
    • 手摺柱の1行目と3行目の[スペース]を0にする。
    • [コーナー手摺柱位置]を各セグメントの端
      手摺子構成
  4. [OK]>[OK]
  5. インスタンスパラメータ[パスからのオフセット]を-12.5
    ガラスの形状が変ですね・・・・
これで、支柱の位置を計測することができるようになりました。つまり、パネルの位置と幅が計測できたわけです。もし、図の○のように、想定されるガラスの形状がおかしい部分があるときは、スケッチラインの切断位置を調整して、きれいな形になるように修正してください。
スケッチラインの切断位置を調整しましょう。
この状態で立面図を作成して、各手摺の間隔を測定します。
最初の階段経路

踊り場
上側の階段経路
この手摺子の間隔(正確には幅-手摺子の幅、つまり内法)が必要なパネルの幅になります。

STEP2:ガラスパネルの準備

建築テンプレートには「パネル - ガラス」というガラスパネルの手摺子がロードされています。

  1. [プロジェクトブラウザ]>[ファミリ]>[手摺]>[パネル - ガラス]を展開。
  2. 800mmをダブルクリックしてタイプ編集ダイアログボックスを表示。
  3. [複製]をクリックし、[名前]を1055mmとしOK。
  4. [長さ]を1055とする。これは支柱間隔1080-支柱見付25=1055(ガラス)という意味です。
  5. 同じ要領で全てのタイプを作成する。
    • 1477.5mm
    • 1075mm
    • 997.5mm
    • 1175mm
      パネル - ガラスのタイプを作成

STEP3:手摺タイプの作成

いよいよ最終ステップです。作成したガラスパネルタイプを使用して手摺タイプを作成します。手摺の始点から終点までのすべての支柱とパネルを記述します。

  1. 手摺を選択し[タイプを編集]。
  2. [複製]で[名前]をガラス手摺Aとする。
  3. [手摺横桟構成]の[編集]をクリックして以下の図のように設定する。
    手摺横桟構成
  4. [手摺子構成]の[編集]をクリックし、以下の設定を行う
    • [パターンを中断]をなし
    • [位置合わせ]を始端
    • [はみ出し長さを埋める]をなし
  5. 続いて[主パターン]の行を追加設定する。
    主パターン
    1. 2行目の[直前部材からの距離]を540
    2. 2行目を選択して[複製]
    3. 2行目の[手摺子ファミリ]をパネル - ガラス : 1075mm
    4. 2行目の[下部]を下枠
    5. 3行目の[下部オフセット]を-150
    6. 2行目を複製して、[下へ]をクリックして、4行目に。
    7. 3行目を複製して、[下へ]をクリックして、5行目に。
    8. 4行目を複製して、[下へ]をクリックして、6行目にし、[手摺子ファミリ]をパネル - ガラス : 1477.5mmに、[直前部材からの距離]に751.25(=1502.5/2)と入力
    9. 5行目を複製して、[下へ]をクリックして、6行目に。[直前部材からの距離]に751.25。
  6. ここでいったんOKを2回おして、階段の様子を確認します。
    下から3枚目まで完成。
このように下から3枚目までのガラスパネルは正しく作成されています。
この要領で踊り場の部分の主パターンを追加していきます。
  1. もう一度手摺を選択し[タイプ編集]>[手摺子構成]>[編集]。
  2. 主パターンを以下の要領で追加
    主パターン 最初から最後までの手摺子を記述する
    1. 6行目を複製して、[下へ]をクリックして、8行目にし、[手摺子ファミリ]をパネル - ガラス : 1075mmに。[直前部材からの距離]に550。
    2. 7行目を複製して、[下へ]をクリックして、9行目に。[直前部材からの距離]に550。
    3. 8行目を複製して、[下へ]をクリックして、10行目に。
    4. 9行目を複製して、[下へ]をクリックして、11行目に。
    5. 10行目を複製して、[下へ]をクリックして、12行目に。[手摺子ファミリ]をパネル - ガラス : 1075mmに。[直前部材からの距離]に550。
    6. 11行目を複製して、[下へ]をクリックして、13行目に。
    7. 12行目を複製して、[下へ]をクリックして、14行目に。[手摺子ファミリ]をパネル - ガラス : 1200mmに。[直前部材からの距離]に600
    8. 13行目を複製して、[下へ]をクリックして、15行目に。[直前部材からの距離]に600
    9. 14行目を複製して、[下へ]をクリックして、17行目に。
    10. 15行目を複製して、[下へ]をクリックして、18行目に。
  3. OKを2回押す。
○数字は主パターンの行番号

これは結局のところ、始点から終点までを1パターンで構成される手摺なのです。パネルの幅が一定間隔の繰り返しではない場合は、この方法しかありません。
しかし、主パターンの考え方さえわかれば、いろいろな手摺に応用できるでしょう。

2018年12月2日日曜日

リンク(2)~グループとの互換性

リンクとグループの互換性

リンクとグループは互換性があります。グループは「手動更新リンク」とも言えます。具体的に見てみましょう。

リンクをグループに変換する

下の図のようなプロジェクト(ProjectA.rvt)を作成し、
リンクされるプロジェクト
もう一つプロジェクト(ProjectB.rvt)を作成しリンクします。リンクのタイプパラメータで[部屋境界]にチェックが入れて、リンクインスタンスの壁を部屋の境界として認識させます。
リンクした状態
リンクインスタンスを選択し、[修正|RVTリンク]タブ>[リンク]パネル>[リンクをバインド]でリンクインスタンスをバンドしてグループにします。
リンクをバインド
警告が表示されるので、[リンクを削除]を選択します。
リンクを削除
これでリンクがグループに変換されます。グループに変換されたため、リンクでは包絡されなかった壁が包絡されていることに注目してください。作成できなかった部屋タグも作成できるようになります。
グループに変換後は壁の包絡、部屋タグの作成などふつうに扱える

グループを更新する

グループは外部のファイルで更新することができます。リンクインスタンスのもとになったファイルを開いて、次のように変更して保存します。
元のファイル(ProjectA.rvt)を開いて変更する
ProjectB.rvtでプロジェクトブラウザで一番下にある[グループ]>[モデル]>[ProjectA]>[再ロード]を選択し、変更後のProjectAを選択します。
対象のグループを選択して再ロード
部屋タグを追加して、更新完了です。
グループを更新
グループは手動更新のリンクですので、リンクではなくグループで運用する、という選択肢も場合によっては考えてもよいと思います。

2018年11月25日日曜日

リンク(1)

リンクの扱い基礎

プロジェクトの一部をリンクファイルで作成する場合のリンクの取り扱いにつついておさらいしておきます。

プロパティを集計表に表示する

リンクインスタンスに含まれる建具などのプロパティを集計表に表示したい場合、集計表の[フィールド]タブの「リンクにある要素を含める」にチェックを入れます。
リンクにある要素を含めるに✔
こうすることで、ホストプロジェクトと同じようにパラメータを扱うことができます。たとえばドアのカテゴリであれば、使用可能なフィールドに「部屋から」「部屋へ」を選択できます。
リンクインスタンスの部屋も取得可能
そして、リンクインスタンスにある部屋の情報を取得することができます。
ホストと同様にプロパティを取得できます。
この「リンクにある要素を含める」の機能は、「カラースキーム」にもあります。
[建築]タブ>[部屋/エリア▼]>[カラースキーム]
カラースキームも「リンクにある要素を含める」に✔
このダイアログにある「リンクにある要素を含める」びチェックを入れると、リンクインスタンスにある部屋のプロパティを利用した色塗りが可能です。
リンクにある部屋をカラースキームで色塗り

リンクインスタンスに名前を付けよう

リンクインスタンスの見栄えはまずホストのオブジェクトスタイルに従って表示され、次に各ビューの表示・グラフィックスの設定に従います。リンクを作成したのち、平面図ビューなどで[表示]>[表示/グラフィックス]をクリックし、[リンク]タブを選択すると下の図のようになります。
ここになぜ[1]という名前の行があるかというと、これはリンクインスタンスの名前なのです。平面図などでリンクインスタンスを選択してみると名前のプロパティが「1」になっています。
リンクインスタンスに名前を付けよう!
これを適切な名前に変更することをお勧めします。
リンクインスタンスに名前を付けよう!
リンクインスタンスはコピーできるので、同じプロジェクトで複数リンクインスタンスを作成した場合はそれぞれに名前を付けて、表示をコントロールできます。
複数のリンクインスタンスをそれぞれ表示コントロール可能

インスタンスごとに集計

さらにこのインスタンスの名前は集計表にもプロパティとして表示できます。
集計表の[フィールド]タブで[RVTリンク]を選択すると、[使用可能なフィールドを選択]に「RVTリンク:名前」が現れます。これが先ほど指定したリンクインスタンスの名前です。
リンクインスタンスの名前を追加する
これで、どのドアがどのリンクインスタンスに含まれているかを表示することができます。
リンクインスタンスの名前も集計表のフィールドとなる

2018年11月17日土曜日

壁の納まり--開口処理

開口処理(開口部の納り)とは?

ドアや窓のファミリのタイププロパティに「開口処理」がありますが、これは「開口部の壁のレイヤの回り込み」を制御するパラメータです。どんな振る舞いをするのか具体的に見てみましょう。
下の図のような壁にドアを作成して、ドアを選択し、タイププロパティを確認します。「開口部の処理」のプロパティを確認しましょう。
開口処理(2019) 

壁のプロパティは次の図の通りです。
壁のレイヤ構成
一つずつ、振る舞いを確認します。

内部

内部のレイヤが回り込みます。
内部のレイヤが回り込む

外部

外部のレイヤが回り込みます。
外部のレイヤが回り込む

両方

同様に両方が回り込みます。
両方のレイヤが回り込む

ホスト別

これは壁タイプの設定に依存するという意味です。壁を選択してタイプパラメータを開いてみると下の図のように、同じような選択肢があります。
壁のタイププロパティ
振る舞いは窓やドアと同じです。

回り込むレイヤは指定できる

この開口処理に「参加」する壁のレイヤは自分で設定できます。壁のレイヤで「納まり」のチェックボックスは、この開口処理に参加するかしないかを決めるチェックボックスだったんですね。
たとえば、下の図のようにチェックを外してみると
納まりの✔を外すと
「両側」に指定した開口処理は下の図のようになります。
回り込みのレイヤは制御可能

どこまで回り込むのかは参照面で指定する

回り込む位置はファミリで制御できます。下の図のようなファミリの場合、だきの内側の部分で回り込みをやめて、内側は回り込みを無しにしたいところです。
回り込みの位置も制御可能
実はこれはファミリの参照面で指定できるのです。ファミリで回り込みの位置に参照面を追加して、参照面のプロパティ「(壁の納まり 改め)開口処理」をチェックします。
参照面の「開口処理」に✔
上の図のドアの場合は、この指定をしていないので、壁の中心までが自動的に開口処理の位置に指定されていたというわけです。

2018年11月11日日曜日

ファミリの原点

ファミリの原点は3枚の参照面で決まる

ファミリの原点(挿入基点)はどこにあるのか?なんとなく参照面の交点だということはわかると思いますが、単なる参照面ではありません。
たとえば一般モデル.rftを元に新規のファミリを作成し、平面図の参照レベルを開き、表示されている参照面を選択してプロパティを見てください。
[基準点を設定]というパラメータに注目してください。これにチェックが入っています。さらにロックされています。もう一方の参照面も同様です。
参照面のプロパティに注目!
この[基準点を設定]にチェックが入ってロックされている参照面の交点が、ファミリの挿入起点になります。
XYの原点が決まったので、Zの原点も決めなければなりません。
[立面図]>[正面]を表示すると、レベル線に重なって参照面が作成されています。マウスオーバー&TABキーで参照面を選択し、プロパティを表示します。
レベルと参照面が重なっている
やはり、[基準点を設定]にチェックが入っていてロックされています。
この3枚の参照面の交点がファミリの挿入起点となります。この理屈を抑えておけば自由に挿入起点を設定することができます。

4つ作ったらどうなるのか?

では、同様の設定をした参照面を4つ作ったらどうなるでしょうか?[立面図]>[正面]のビューで、任意に参照面を作成し、[基準点を設定]にチェックを入れてみてください。
そして、参照面に重なっているレベルを選択すると、チェックが外れていることがわかります。
矛盾した設定はできない
矛盾した定義はできないようになっています。

ドアのテンプレートに注意!

気を付けなければならないのはドアのファミリテンプレートです。なぜか、ドアのファミリテンプレートにはZ原点を定義する参照面が作成されていません。
レベルのみで参照面がない

たいていの場合問題はないのですが、ごくまれに困った問題を引き起こします。例えば、開口部を参照レベル以下に設定してみます。
開口を参照レベル以下に設定してみると
これをプロジェクトに挿入してみると・・・
オフセットが0にもかかわらず、図のように下枠高さのプロパティが-100mmとなってしまいます。
下枠高さが-100に!

下枠高さの値を0にすると
上に上がってしまいます。
うえに上がってしまいます。
これを修正するには、ファミリの参照レベルに参照面を作成して、ロックし、[基準点を設定]を✔します。
参照面を追加してレベルにロックし、[基準点を設定]を✔します
プロジェクトにロードしてみると
下枠高さ0で
ドアのテンプレートを使用するときは、必ず参照レベルに参照面を追加して、[基準点を設定]を✔しておくことをお勧めします。