2017年7月1日土曜日

パネル型の手摺(2)

手すり子とパネル型手摺子を配置する

それではパネル型の手摺(三共立山アルミ:ファインマスター参照)のタイプを作成してみます。手すり子の間隔を800mmです。
800mmピッチで並べる
ここで注目するのは「手すり子(パネル)の位置は芯で指定する」ということです。芯の位置を表示してみると下の図のようになります。
手すり子は400mmピッチで並んでいる
そこで、手摺タイプのプロパティ「手すり子の位置」の設定は次のようになります。
主パターン
この①②の値は下の図の①②に当たります。
主パターンを読む!
これによって、二種類の手すり子が400mm間隔で繰り返し並べられて下の図のような手摺になります。
800mmピッチの手摺

端部の問題

ところが端部に問題があります。よく見ると下の図のようになっていて、上部手摺のおさまりがイマイチです。
端部の上部手摺のおさまりがおかしいですね。
これを下の図のように、おさめたいのであれば、
端部の面で800で納めたいときは・・・
手摺のタイププロパティ手すり子の位置で手すり柱の始端側と終端側の「スペース」に手すり子の幅の半分の値をいれて、手すり子の位置を移動します。
始端と終端の手すり子の挿入位置をずらす

「はみ出し」の問題

手摺全体の長さが800mmの倍数であれば、手すりはきれに納まります。しかし、800で割りきれない長さの場合は端部に余りが出ます。
端部の余りはどうするのか?
端部に幅の異なるパネル(この図の場合は幅400のパネル)を加えたい、と思っても現在の手摺の機能では対処できません。一応、幅200のパネルを作って、下の図のように手摺タイププロパティを作ってみましたが、
はみ出しを埋めると・・・
残念ながら、下部材と上部手摺の間におさめることはできません。
うーん。惜しいっ!
はみ出しの長さを埋める手すり子(パネル)は主パターンのように下部のホストを指定することができません。そこでパネルを一工夫します。

端部用手すり子パネルの作成

パネル型の手すり子の下端の距離を指定できるようにファミリを改造し端部用のパネルとして保存します。下端の距離の値は下端の横部材の高さに合わせます。
下端にオフセットを設定できるようにする
これでどうでしょうか?
はみ出しを埋める部材はオフセットも指定できません。

む、まだ駄目ですね。スケッチラインに対してオフセットを指定できるようにしなければなりません。はみ出し用のファミリはオフセットを指定することもできません。

手順

(1) 下の図のように平面図で既存の中心線の左側に55mm移動した位置に参照面を作成し名前を「ガラス面」とする。
(2) ガラスのフォームを選択し、作業面を編集ボタンをおして、(1)で作成した参照面を指定します。
左側へのオフセットを追加
これならどうだ!

うまくいきました。
お気づきになったかもしれませんが、この図ではさらに端部専用の手すり子ファミリを割り当てています。
始端と終端に専用のファミリを指定
始端と終端の様子
端部処理のサイズが異なるごとに手摺タイプを作成することになりますが、
全長=800の倍数+端部の長さ×2
で作成することができます。
全長=メインパネルのピッチ×枚数+端部の長さ×2

手すりは割り付けを考えながら

ガラスパネルの部分を横部材として細長いプロファイルを使う手もあるのですが、今回はあえてパネル型の手すりを正攻法で作成してみました。集合住宅のバルコニー手すりなどの実施設計や施工段階では、割り付けを考えてから作成するこの方法がふさわしいのではないでしょうか?必要なファミリとプロフアイルをまとめると以下の6つでした。

必要な手すり子ファミリ


  • 主パターン用ガラスパネル
  • 主パターン用手すり柱
  • 端部用ガラスパネル
  • 端部用手すり子

必要なプロファイル


  • 上部手摺用笠木プロファイル
  • 下部部材用プロファイル

2017年6月25日日曜日

パネル型の手摺(1)

手摺を攻略しよう

手摺の設定は少々難解ですので、いくつか具体的に手摺を作成しながら、詳しく見ていきましょう。今回は三協立山アルミの手摺「ファインマスター」を作成してみます。
パネル型の手すりタイプを作ってみます
細部にも凝ってみましょう。

縦部材はファミリ、横部材はプロファイル

手摺は簡単に言うと縦部材と横部材の組み合わせですが、スケッチラインに沿って

  • 横部材はプロファイルがスイープされる
  • 縦部材はファミリが規則的に配置される
という原則で構成されいます。何を縦部材(手摺子ファミリ)とし、何を横部材(プロファイル)とするかをよく観察して決定しましょう。

横部材(手すり)

まずは横部材(手すり)ですが、ファインマスターSBの場合、「笠木」と「下端部材」が横に通っているので、この二つを横部材とみなすことができます。
Webカタログより画像を拝借しました。
そこでCADデータをダウンロードして、二つのプロファイルを作成します。

  1. [R]>新規作成>ファミリ
  2. プロファイル - 手すり(メートル単位).rftを選択

笠木は「上部手すり」のタイプ用で、下部材は手すり(手すり子ではない)用のプロファイルとします。
笠木のプロファイル
下部材のプロファイル(なぜか上部手摺のプロファイルとは向きが逆です)

縦部材(手すり子)

縦部材は手すり子のファミリとして作成します。縦部材とは簡単に言えば横部材以外の部品です。ファインマスターの場合、下の図のように「支柱」と「ガラスパネル」になります。
横部材以外は縦部材(手すり子ファミリ)として作成
Webカタログより画像を拝借しました。
この二つの要素を手すり子ファミリとして作成します。使用するファミリテンプレートは

  • 支柱ー手すり子 - ポスト.rft
  • ガラスパネル―手すり子 - パネル.rft
支柱を作るときの注意点ですが、手すり子 - ポスト のテンプレートを開くと、立面図-左のビューが開くのですが、レベルより上に二つの参照面があります。今回の例のように支柱の上端が上部手すりなど横部材の下端で止まっている場合は、「参照レベルと上から二つ目の参照面との間にフォームを作成する」ということです。この参照面と手摺タイプの手すり子の位置の編集ダイアログの関係を図解すると下の図のようになります。
参照面には役割があります。

このダイアログボックスからわかるように、手摺はまず横部材(手すり)ありきで、どの横部材の間に手すり子を配置するかで決まるのです。そこで、次のようなファミリを用意しました。手すり子支柱高さはどうなるのか?というと、これについては話が長くなるので別の機会にお話しします。
ファインマスターSB支柱
平面図はこうなります。左側が正面、と考えてください。
左側が正面
外観

ガラスパネルは単純な板を作成しますが、両端部を25mmオフセットして作成しています。
ガラスパネル
タイプとして幅が800mmのものと1200mmのタイプを作成しておきます。
この「勾配角度」というのが気になるかもしれませんが、これは階段やスロープをホストしたときの角度を意味しています。今回は勾配を考える必要がないのでこれを無視しています。

さてこれで材料は出そろいました。次回は手すりタイプを作成して、実際に配置してみます。

2017年6月17日土曜日

ファミリのマスキング

テーブルの上に椅子?

ファミリにマスキングやシンボル線分を使用したとき、他のファミリとの前/背面関係はどうなっているのでしょうか?例えば下の図はテーブルと椅子のファミリを配置した状態です。テーブルの上に椅子が乗っています。
椅子がテーブルの上に???
3Dで見るこのようになっているんですが…
問題なさそうですよね・・・

なぜこのような表示になるのでしょうか?

前景で描画って?

この二つのファミリはそれぞれマスキングで2D用の表示が設定されています。しかもその表示設定は「前景で描画」にチェックが入っています。

テーブル

テーブルのマスキング領域

椅子

椅子のマスキング領域

いずれもマスキング領域のインスタンスパラメータ「前景で表示」が☑になっています。この前景で描画というところがポイント何です。このモデルを真横から見てみますとこうなります。
椅子のほうが平面図のカメラに近いので椅子の勝ち!

つまり、椅子の存在領域がテーブルの存在領域より上にあります。よって椅子のほうが平面図のカメラに近いため椅子のほうがテーブルより「前景で描画」されるというわけです。いってみれば上の図の赤・青の線(面)上にマスキング領域が描画されているイメージです。

前景で描画でないとどうなるのか?

ではマスキング領域が前景で描画でないと表示はどうなるのでしょうか?それはマスキング領域を描画した参照面の位置によるのです。それぞれのファミリを以下のように修正してみます。

  1. 名前の付いた参照面(ここではマスキングという名前にしました。)を作成
    テーブル
    椅子
  2. マスキング領域を 1 で作成した参照面上に移動し、前景で描画をOFF
    マスキング領域を参照面に移動
このような状態にしてみます。
マスキング領域が乗っている参照面の上下関係を考える
そうなると
テーブルの下に椅子が入って見える!
このような表示になります。つまり前景で描画をOFFにすると、作成されている位置に応じて描画されるのです。この理屈はマスキング領域(詳細項目)だけではなく、シンボル線分も同じです。
この例は極端な位置にマスキング用の参照面を作成しましたが、実際にはマスキングがあらわす部分が存在する位置に参照面を作成するといいでしょう。
マスキングごとに適切な参照面を作成すると◎
マスキングやシンボル線分も実際にはあくまでも3D図形であり、便宜的に表示の方法を切り替えているだけだと覚えておいてください。

2017年6月11日日曜日

常に垂直・作業面に基づく・ロード時にボイドで切り取り

ファミリの基本のプロパティ

ファミリを新規作成し、テンプレートに「一般モデル(メートル単位).rft」を選択したときに、ファミリの基本的なパラメータとして

  • 作業面に基づく
  • 常に垂直
  • ロード時にボイドで切り取り

というのがあります。プロパティウィンドゥに次のように表示されています。
ファミリのパラメータ
すべてYES/NO型のパラメータですが、これらはどのような意味があるのでしょうか?

常に垂直

ファミリのインスタンスには「ホスト」または「作業面」というパラメータがあります。ホストはレベルであったり、何らかの要素の面であったりします。このパラメータはそのホストまたは作業面に対して垂直なのか(OFF)、あるいはホスト面が傾いていても常に垂直を保つのか、というインスタンスの配置を決定します。
常に垂直:□(左)と☑(右)
上の図で斜めの板は床です。配置された円筒状のファミリは左が常に垂直がOFF、右が常に垂直がONです。ホストはどちらも床面です。常に垂直がオフの場合は、配置されたホストに従って向きが変わります。ただし、壁など垂直な面にはホストすることはできません。基本はレベルに基づいています。

作業面に基づく

壁面など任意の面に配置したい場合は、作業面に基づくにチェックを入れます。このパラメータがONの場合、挿入時リボンに下の図のようなオプションが表示されます。
作業面を指定するオプションが表示される
面に配置とは「何らかの要素の面」を指定する、という意味で、作業面に配置とは「通芯」「レベル」「名前の付いた作業面」に対して配置する、という意味です。
面に配置した例
常に垂直をOFFにしておけば、いろいろな面をXY平面としてファミリを配置することができます。
このファミリインスタンスパラメータには「レベル」のパラメータはなくなり、「作業面」と作業面からの「オフセット」のパラメータが表示されます。
インスタンスパラメータに注意
さらに常に垂直をONにすれば、ホストとなる作業面に関係なく常に垂直を保って配置されます。
面に配置されるが垂直を保つ

ロード時にボイドで切り取る

たとえば床に排水側溝を作りたい場合などに、ホストとなる要素を「削る」必要があった場合には、このパラメータをチェックします。下の図は「作業面に基づく」がONで、「ロード時にボイドで切り取り」をON・OFFにしたファミリを床と壁に配置した直後の状態です。このファミリにはボイドだけが含まれています。
同じようなファミリに見えるが・・・・
これらを 修正タブ>ジオメトリパネル>切り取り を使って関係づけると
□だと切り取りで関係づけることができない
「ロード時にボイドで切り取り」がOFFの場合は、ホストとなる要素(この場合は壁と床)を切り取ることができません(というか、切り取りコマンドで指定することすらできません)。

作成したいファミリの特性に従って設定してみてください。

2017年6月4日日曜日

カーテンウォールのコーナー

突き付けガラスのコーナー

カーテンウォールは便利な機能ですが、コーナーの処理に若干の工夫が必要です。カーテンウォール芯にガラスがある場合は下の図のようになりますが、
パネルが芯にある場合は問題なさそうだが…

ガラスパネルをオフセットすると、間が空いてしまいます。
パネルを外側にオフセットするとガラスの間が空いてしまう。

突き付けガラスにするにはどうすればいいでしょうか?

コーナーマリオンで解決

こんな時はガラス厚と同じ厚さの四半円形マリオンをコーナーに作成してみましょう。この図にあるガラスパネルは、外側に90mmオフセットした、厚さ20mmのガラスです。
パネルのタイププロパティ

まずは以下のような四半円形コーナーマリオンタイプを作成します。
ガラスの厚さ・オフセット・マテリアルを同じにする

そしてこのマリオンをコーナーのグリッドに割り当てると
突き付け部のガラスをコーナーマリオンで作成
3Dビューで見ると
ガラスのコーナーマリオンで突き付けガラスを表現